再生への備忘録42

 「養蜂」という言葉を国語辞典で調べると、「はちみつやミツロウを取る為に、ミツバチを飼育する事」と書いてあります。市販されているほとんどの国語辞典を調べましたが、どれも同じでした。しかしながら、この答えは、間違いであるだけでなく、的外れです。

 養蜂というのは、英語ではbeekeeping と言いますが、あくまでも、みつばちを養う事、一歩踏み込んで言えば、みつばちのコロニーを持続的に養ってゆく事と言う意味で、養蜂の目的は、読んで字のごとく、「蜂を養う事」以外の何物でもありません。経営の目的が、金儲けではないのと同じです。

 みつばちのコロニーを持続させることだけを考え行動した結果、余剰のはちみつがもらえるだけであって、はちみつを取るためにミツバチを飼育しているわけではありません。これは非常に大事な概念です。

 ところで、与える事よりも、得る事が人生の目的になってしまっている利己的な人には養蜂はできません。2008年から2009年にかけて始まったCCD(蜂群崩壊症候群)の本質的な原因は、同時期に起こったリーマンショックと同様、人間の利己的な行動が招いた結果であることは火を見るよりも明らかです。

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