再生への備忘録51

 日頃お世話になっている知り合いから山羊小屋を譲っていただく事になり、雪が降る前に小屋を移設しました。冬の青空の中、ユニックで吊られた山羊小屋を眺めながら、いつの間にか空が高くなっていた事に気付き、季節の移り変わりの速さに愕然とした次第です。あれからもう3ヶ月が経とうとしています。

 私の人生は、台風15号以前と、以後の2つに完全に分かれています。台風15号に遭うまでは、いつも自分の人生に不足している何かを探し、それを補う事にエネルギーを使っていました。自分の価値観に執着し、アイデンティティに拘り、好きなものは取り入れ、嫌いなものは排除するという二極の世界でもがいていました。

 物質的に多くのものを失ったと同時に、拘りや執着心も綺麗さっぱりなくなりました。足りないものは何もない事もわかりました。目の前の現実は自分の想念が作り出しているイリュージョンであって、実体はなく、心配する未来など、どこにも存在しないのだという事も伝えられました。台風15号に対しては感謝以外の言葉が見つかりません。

 季節の移り変わりのように人生は短く、人間の一生など、おそらく星が瞬くほどの小さなものなのだと思います。今年も残り1ヶ月。何かと忙しい時期ではありますが、ゆっくり深呼吸をして、自分自身と向き合いながら過ごしたいと思います。

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