再生への備忘録39

 昨日は、アフリカで10年間養蜂支援を行っている方とお会いして、現地の養蜂事情と、アフリカでいま懸案となっている問題について、意見交換をしました。現地では、まだ家畜化されていない「アフリカンビー」を、極めてプリミティブなやり方で飼育しており、今後近代化の道を歩むのか、あるいは、それとはまた違った方法で活路を見出してゆくのかの岐路に立たされている気がしました。

 一方で、先進国で産業革命以降脈々と続いてきた近代養蜂は、遠心分離機による効率化と、人工巣礎の恩恵で、ハチミツの生産量は飛躍的に伸びましたが、近親交配や砂糖給餌、抗生物質の使用によってミツバチの免疫力が低下し、病気やダニといった新たな問題が生まれています。また、地球規模で進む環境破壊によって、慢性的に蜜源花粉源が不足しているのは、先進国も発展途上国にも共通しています。

 プリミティブな自然放任型の養蜂と、効率的な近代化養蜂の中庸を行く、オルタナティブはどこにあるのかを模索してゆく事が活路になる気がしています。

 ところで、この方の事務所は、調布市にあるのですが、事務所のすぐ隣には、武者小路実篤記念公園があります。100年以上も前に、武者小路実篤が提唱した世界観は、ワークシェアリングや、ライフワークバランスといった新しい概念を生み出し、現代に生きています。帰宅して、以前から気になっていた武者小路実篤の本を一冊購入しました。

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